DREAMS COME TRUEであって、DREAMS COME TRUEではないサウンド、
しかし、この映像作品には、100%のDREAMS COME TRUEが詰まっている。

miwa yoshidaのbeauty and harmonyという録音芸術作品を、13年振りの共演となる
上原ひろみを筆頭に世界屈指のミュージシャン達と奏でるドリカムのジャズ。
もう2度と訪れることのない、その奇跡の瞬間をパッケージングしたライヴ映像作品。

ドリカム史上初となる、DVD同梱Blu-rayパッケージに、初のコンピレーションとなる
beauty and harmony / beauty and harmony 2 Special Selection CDを収録。

収録曲

【Blu-ray】 DVD同梱(同一内容で収録)
LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2022

1. DARLIN’ 2. 夢の続き 3. バイバイ 4. 冷えたくちびる 5. 涙の万華鏡
6. the lessons 7. 告白 8. どうしてこんなに 9. A HAPPY GIRLIE LIFE 10. サンキュ.

【ミュージシャン】
上原ひろみ(Acoustic Piano), Chris Coleman(Drums), 古川昌義(Electric Guitar), 馬場智章(Tenor Saxophone)

【CD】
beauty and harmony / beauty and harmony 2 Special Selection
1. beauty and harmony 2. あなたのかわいい人 3. つめたくしないで 4. お願いします
5. 奪取 6. おとなじゃん! 7. 生涯の恋人 8. theme of beauty and harmony 2

OVERVIEW 商品概要

・1Blu-ray + 1DVD + 1CD ※Blu-ray / DVDは同一内容で収録

スペック

【Blu-ray】収録分数:約79分収録
・映像:Blu-ray1枚/1層/1080 High Definition 23.98PsF/MPEG-4 AVC
・ライヴ本編音声 : STEREO/リニアPCM ステレオ(96kHz/24bit)5.1ch/Dolby TrueHD(96kHz/24bit)
・全曲歌詩テロップON/OFF機能付き

【DVD】 収録分数:約79分収録
・ 映像:DVD1枚/片面1層/16:9/LB/リージョンコードALL/MPEG-2
・ライヴ本編音声:STEREO/リニアPCM ステレオ(48kHz/16bit)5.1ch/ドルビーデジタル(48kHz/16bit)
・全曲歌詩テロップON/OFF機能付き

【CD】 ・全8曲入りCD1枚

価格 :¥8,800 (税込)
品番:UMXK-1096

LINER NOTES ライナーノーツ

改めて映像を見直して思ったのは、この時のステージがいかに奇跡的なものだったかということだ。ライヴ当日、秩父ミューズパークで実際に体感もしたし、WOWOWの放送でもしっかり観た。けれどライヴとも放送とも違う、映像作品ならではの感動があった。それを一言で表すならこういうことだ。あの日のステージがDREAMS COME TRUEのものとして100%そこにある ――。

まず、『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2022』について簡単に記しておくと、このフェスは毎年7月にイギリスのイースト・サセックスで開催されているヨーロッパ最大規模の野外ジャズフェスティバルの日本初上陸となるものだ。本家のラインナップの特色は伝統的なジャズからニューエイジ・ジャズ、ヒップホップ、ソウル、ファンクなど滋味豊かな音楽ジャンルを包括したものになっている。5月14日(土)・15日(日)に埼玉県の秩父ミューズパークで開催された日本版でもまさに“カッコよければなんでもあり”なラインナップが実現し、話題となった。
その話題の中心だったのが、両日のヘッドライナーを務めた、DREAMS COME TRUE(14日)とロバート・グラスパー(15日)だった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で3年越しに初開催された同フェスにあって、海外アーティストの招聘が叶ったという点で、また現代ジャズの最重要人物と目されるロバート・グラスパーのステージには大いに注目が集まった。しかし、話題性という点でドリカムのインパクトがその上を行ったことは間違いない。何せ、ジャズフェスにドリカムが出演するという驚きに加え、集まったメンバーが強力だったからだ。その筆頭が、世界を舞台に活躍するピアニスト・上原ひろみだ。各メディアでも〈DREAMS COME TRUE、上原ひろみと13年ぶりの共演が実現〉としてこぞって取り上げられた。さらにはドラマーにチャカ・カーンやプリンスのサポートメンバーとしても知られるクリス・コールマンがラインナップに加わり、ギターには古川昌義、サックスに馬場智章といった国内でも超一流のプレーヤーが集結した。
そしてもうひとつ、セットリストを構成する楽曲にも大きな注目が集まった。事前にアナウンスされていたとおり、いわゆるドリカム楽曲ではなく、miwa yoshida(吉田美和)としてリリースしたソロ作品『beauty and harmony』(1995年)と『beauty and harmony 2』(2003年)のなかからセレクトされたからだ。実際の曲順を見てもらえればわかるとおり、最後にアンコールで披露した『サンキュ.』以外はすべて上記の2作品からの楽曲となっている。
『beauty and harmony』と『beauty and harmony 2』は共に、アメリカを代表するトップミュージシャンたちが集まって現地で制作したスペシャルな作品だった。そしてそれは、今聴いても全く色あせることなく我々を楽しませてくれる(コンパイルされたCD『beauty and harmony / beauty and harmony 2 Special Selection』を聴いていただければわかる)。
この、録音芸術として最高到達点にまで達したと言える2作品を新たなバンドによるライヴセッションという形で披露するということがスペシャルであり、何よりジャズのもつ“なんでもあり”なマインドを表しているように思える。かくして、2022年5月14日(土)、『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2022』のステージにDREAMS COME TRUEは立った。
冒頭で言ったことと矛盾することを書くが、そこにはDREAMS COME TRUEであってDREAMS COME TRUEではないサウンドがあった。それは何も、吉田美和のソロ楽曲でセットリストを構成しているからというわけではない。それは、演奏そのものの自由さによるところがそう思わせるのだ。1曲目の『DARLIN'』の曲間、まずはクリス・コールマンのインプロヴィゼーションから入り、上原ひろみのソロ、そしてサックスの馬場智章へとバトンが渡されていく。全てはその時のミュージシャンの閃きによって選択された一音一音が、ライヴという瞬間芸術として放たれている。各プレーヤーに任されている裁量が圧倒的に多く、自由度の高い演奏をしているのだ。
それはやはり、いつものDREAMS COME TRUEのライヴとは異なるアプローチだと言える。そうした、各プレーヤーの個性がより際立つスタイルを取ったからこそ、吉田美和ソロ作品からの楽曲でライヴを行ったのだろうと想像できる。例えば2曲目の『夢の続き』では、吉田美和がアドリヴで入れたスキャットに、すかさず上原ひろみがピアノで語りかけるというやり取りは鳥肌ものである。そして、このようなプレイヤビリティに溢れた見どころ&聴きどころは、随所に出てくる。そこを楽しみに観るというのもこの映像作品の味わい方のひとつだろう。
では、どうしてこの映像作品が“100%のDREAMS COME TRUE”と言えるのか。鍵となるのは中村正人の存在だ。ライヴ中のMCで本人は「実は俺、吉田の曲1回も弾いたことがないんです(笑)。でもまあ、今回はオールスターですから。俺以外は神!ヤバイよね!」と謙遜して言うが、吉田美和のソロ作品(アレンジは全曲中村正人)に中村が演奏で加わる意味は極めて大きい。
もちろん初めて実現したという意味でもそうだが、『beauty and harmony』と『beauty and harmony 2』のレコーディングでベースを弾いた、チャック・レイニーとウィル・リーのベースラインが中村正人のもとにひとつになるという物語に大いなるカタルシスを感じずにはいられない。2人とも巨人と言ってもいいプレイヤーで、そのキャリアはそのままアメリカ音楽の歴史と重なる。と言うことは、中村正人が、そして吉田美和が、つまりはDREAMS COME TRUEが歩んできた音楽の道と一直線上につながっているのだ。他の誰でもない、吉田美和のソロ作品のライヴ演奏で今回、中村正人がベースを弾いたことによって原初の形のドリカム、つまり100%のDREAMS COME TRUEが立ち現れるという奇跡を目撃できるのだ。そこに、上原ひろみ、クリス・コールマン、古川昌義、馬場智章といった個性的なプレーヤーがいることで、より純度の高いドリカムが浮き彫りになるという構造は、やはり全ての条件がピタリと一致したこの時のステージでしかあり得なかっただろう。
その奇跡を、フェスという一連の流れではなく、DREAMS COME TRUEのステージという単独のショーとして切り取られているからこそ丸ごと味わえる醍醐味がある。ちなみに、この映像作品に収められている映像は、WOWOWで放送されたものとは別編集のものとなっているということを記しておきたい。
最後に断言するが、このメンバーで、しかも『beauty and harmony』と『beauty and harmony 2』の楽曲を演奏することは今後二度とない。それだけでもこの映像作品(プラスCDまでコンパイルされて!)が貴重なものとなることは言うまでもないだろう。

Text●谷岡正浩

MOVIE 映像

beauty and harmony LIVE in LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2022 (Live Digest)

泣きたい
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つめたくしないで
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涙の万華鏡
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