ワンダーランドイヤーだった2015年に続き、2016年もDREAMS COME TRUEからは目が離せない! 7月7日には裏ベスト『私だけのドリカム』の発売が、そして「裏ドリワンダーランド」の全国アリーナツアーの開催が決定! さまざまな人の心に深く響くDREAMS COME TRUEの音楽の真髄を味あわせてくれる一年になりそうです。
そこで今回は特別企画のインタビューが実現。ダイノジ・大谷ノブ彦と音楽ジャーナリストの柴那典が、中村正人と吉田美和の2名に迫ります。
―大谷 昨年末に「ワンダーランド」の公演を見せていただいて。
お世辞抜きでものすごく感動しました。
―柴 お二人は「ワンダーランド」をやりきって、どんな実感がありますか?
―中村 まず、吉田は本当に驚異的ですね。ワンダーランドの演出家は吉田なんですけれど、僕ともう一人の演出家の向井がやっていることは、吉田の目指しているものに制約をかけることなんです。予算もあるし場所の問題もある。でも、吉田の表現力がその制約を上回ってくる。
―大谷 こちらの想像を超えてくるんですね。
―中村 だから、僕と向井は大反省なんですよ。吉田のポテンシャルだけに頼った演出だった、と。いろんな面で吉田におんぶに抱っこだった感じでした。
―吉田 でもね、そういうのも含めて、本当に4年に1回のことだから。その時にできるものを最大限突き詰めていくという課題が毎回ある。だから、それはそれでいいんじゃないかな。
―中村 あとは、僕はシルク・ド・ソレイユやミュージカルが大好きなので、作りこんだものをやりたがるんですよ。だけど吉田は基本的に歌と演奏を大事にしている。
―吉田 そう。ライヴは、絶対に歌と演奏なんですよ。特に今回はシアトリカルに作ったので、最初は「わーっ!」って楽しめるものでも、最後には「いいライヴを観た」と思ってもらえるようにバランスを取りながら演出を進めていったんです。
―大谷 たしかに、外枠はファンタジーなんだけど、その内側には何かもっとエモーショナルなものがある感じがしました。
―吉田 だったら嬉しいな。
―柴 そして2016年には裏ベスト『私だけのドリカム』がリリースされます。
―大谷 『私のドリカム2』ではなかったんですね。
―吉田 そうなんです。
―中村 スタッフからはその方がいいんじゃないか?みたいな意見も出ましたけれどね。
―柴 カバー盤『私とドリカム』、ベスト盤『私のドリカム』ときて、今回は『私だけのドリカム』。これは伏線を張ってたんでしょうか?
―中村 張ってたんですよ、これが。4年前から考えてました。途中で心が折れそうになりましたけど(笑)。
―柴 しかも3枚組で50曲収録と、『私のドリカム』と同じ形になっています。
―中村 そうなんです。これはお店でもぜひ並べて置いてほしいですよね。まず手に取りやすいし、この時代、50曲をいちいち全部ダウンロードするよりもCDを買ったほうがむしろ手軽ですから。
―大谷 『私のドリカム』が「表」で『私だけのドリカム』が「裏」という感じなんですか?
―吉田 厳密に言うと、まずは、『私のドリカム』の50曲に入りきらなかった「表」の曲、人気曲があるんです。それが入っているのが「WATASHI」ディスク。
―中村 で、あとは「私だけの~」ということで、吉田が選曲した「MIWA」ディスクと、自分が選曲した「MASA」ディスク、という。
DREAMS COME TRUE THE ウラBEST!
『私だけのドリカム』
2016.7.7(七夕)発売!3枚組50曲 3,400円(税別)
―柴 なるほど。単に「表」と「裏」ということじゃなくて、それぞれの視点から捉えたドリカムの真髄みたいなものが詰まっている。
―大谷 しかもそれが『私だけのドリカム』っていうタイトルになっているのがいいですよね。「みんなのもの」じゃなくて、自分だけのパーソナルなものってことですもんね。
―中村 そう。だからこれを「私だけのドリカム」だと感じる人が100万人いればいいなと思ってる。そもそもドリカムって、そういうところから始まったんですよ。僕らがデビューした頃は、シーンもないしムーブメントもなかった。
―吉田 本当に口コミで広がったんです。
―大谷 CDが何百万枚売れても、曲を愛しているのは一人一人なんですね。
―柴 『私だけのドリカム』は7月7日に発売されますよね。これは『私のドリカム』と同じ発売日ですけれど、そこにも何かこだわりがあるんですか?
―中村 まずはウチの会社の創立記念日というのが一つ(笑)。あと、僕はね、7月7日をドリカムの日にしたいんですよ。今まで「7月7日、晴れ」という曲があるおかげで、7月7日にはドリカムの曲がすごくかかるんですけど、実は7月7日は1年に1回の「夢が叶う日」なんですよ。
―柴 あっ、そうだ。七夕って、そういうことですもんね。
―大谷 本当だ。まさに夢が叶う日、「ドリームズ・カム・トゥルー」の日だ。
―柴 ということは、発売日自体がイベントになる。
―中村 そうそう。やっぱりね、イベントにするべきだと思うんですよ。こういう世の中だからこそ、ワクワク感があってほしいと思うんです。
―柴 そして、今年は「裏ドリワンダーランド(以下ウラワン)」も開催されます。これは『私だけのドリカム』とも連動したライヴになりそうでしょうか?
―吉田 もちろん。確実に、この中から選抜して、厳選してやろうと思います。
―大谷 前回の「ウラワン」のライヴも映像で観たんですけれど、すごく楽しかったんですよ。みんなが知ってる国民的ヒット曲だけじゃないからこそ「ちゃんとこの曲を届けたい」って思いが貫かれていて。演出もすごく凝っていた。むしろ初めて来た人が楽しめると思ったんですよ。
―吉田 うん。どんな曲をやっても、そういう風になればいいなと思ってます。
―中村 さっきも言ったけれど、ドリカムって、そもそも、誰も知らないところで勝負してきたんですよね。その姿勢を忘れちゃ絶対にいけないなと思って。「1曲も知らなかったけど楽しかった!」って思ってもらえるようにしたい。
―柴 だからこそ、「ウラワン」はドリカムの音楽をより深く楽しめる場になっている。
―中村 そう。それをわかりやすく伝えたいですね。それに、いろんな人たちに、新しい音楽の入り口になってほしいんです。音楽って、とてつもなく素晴らしいものなんですよ。
―吉田 去年の「ワンダーランド」とはまた違った、音楽の楽しさを伝えられるようなライヴになったらいいなと思っているので、是非来てくださいね。
そして、次回は裏ベスト『私だけのドリカム』のさらなる核心に迫る決定的インタビューに! Vol.2の公開は5月予定。ご期待ください!
インタビュー: 大谷ノブ彦 柴那典 文:柴那典 写真:中河原理英