石原さとみ主演 木曜劇場『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』主題歌 「YES AND NO」と
富野由悠季総監督自らのオファーにより実現した劇場版『G のレコンギスタ』テーマソング、「G」を収録した両A 面シングル
「YES AND NO」MV
「YES AND NO」ティザーMV
「YES AND NO」ドラマver.
「YES AND NO」MMV
漫画作者:荒井ママレ/医療原案:富野浩充
「G」MV
ディレクター:河井 祐
1,300円+税 UMCK-5690
Gのレコンギスタ × DREAMS COME TRUE
特製クリアファイル
2020年6月22日(月)23:59までにご注文のお客様には、
CD1枚ご購入につき「Gのレコンギスタ × DREAMS COME TRUE 特製クリアファイル」
(A4サイズ)を1枚おつけいたします。特典は商品と同梱でお届けとなります。
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「やっぱり、ドリカムだよね!」という言葉が本作を聴いて、思わず、まろび出た。昨年30周年のメモリアル・イヤーを迎え、2020年というはじまりの年にDREAMS COME TRUEが放つ両A面シングル「YES AND NO / G」。ポップ・シーンの最前線で、日本人のソウルと人生に寄り添う「クラシック」を作り続けてきたポップ・バンドが新たに生み出したこの2曲は、かれらが常にラディカルかつ貪欲に自らを更新し続けることで、異端にして最先端のサウンドを「普遍」に変えてきたことの証明にもなっている。
フジテレビ系列で放送される石原さとみ主演のドラマ『アンサング・シンデレラ』の主題歌として書き下された「YES AND NO」は、時代を撃ち抜く実に鋭利な一曲だ。80年代を思い起こさせるシンセ・ポップを下敷きにモダンなプロダクションを施したトラックの上でソウルフルな歌声がグルーヴする疾走感のあるサウンドは、かの時代をリアルタイムで生きてきたドリカムだからこその説得力がある。昨今「80年代リバイバル」というキーワードは日本に限らず世界のカルチャーを語る上でのトレンドだが、温故知新とはまさにこのことで「これを今やるなら、こうでしょ!」と、クラシックで最先端なサウンドをリアリティを持って立ち上げることのできる存在は、今、DREAMS COME TRUE以外にいないだろう。
そもそも「YES AND NO」というこのシンプルにして、引っかかりを残すタイトルからして凄まじい。〈YES AND NO 単純に勝ち負けじゃない / この世界で何が出来るの?〉と、楽曲の歌詩にもあるように、様々な情報が横溢し既存の価値判断の基準が次々と崩壊していく現代においては、誰かに与えられた「YES」か「NO」かを追い求めることに意味はないのだということを聴く人に気づかせる。自分が何を信じて行動していくのかが、すなわち今という時代を生きていくことであり、その選択ひとつひとつがやがて自分なりの「YES OR NO」を手にすることへとつながっていく絶望に満ちたこの時代のリアリティをしっかりと捉えながら、おべんちゃらじゃない真っ直ぐな希望で未来を照らしだそうとするこの楽曲の歌詩は胸に突き刺さって離れない。
劇場版『Gのレコンギスタ』のテーマソングとして書き下ろされ、本シングルに先駆けてダウンロード配信されていた「G」は、『機動戦士ガンダム』という日本を代表するアニメーション作品が時代ごとに投げかけてきた「問い」をさらに深め、新しい世代へと受け渡す大いなる力を持った楽曲だ。フュージョンやファンクのエッセンスの詰まった技巧的なイントロから始まり、煌びやかなピアノとレトロ・フューチャリスティックなシンセサイザーのサウンドが、かつて夢見た未来の宇宙像を戯画的に描き出す。吉田美和と中村正人という日本のポップスにおける最強のコンビが楽曲を作れば、それが名曲になってしまうのは考えてみれば至極当たり前のことなのだが、このクラシックでエヴァーグリーンな響きを持ったサウンドは、新たな時代の幕開けを告げる号砲のようだ。
『Gのレコンギスタ』の総監督である富野由悠季は、音楽ナタリーにおける中村正人との対談の中で「もう少し物事を“普通に考える”ための言葉を持たなきゃいけないんじゃないのか」というのが映画の「本当のテーマ」であると語っている。そう、まさにこの監督の言葉と響きあうように、本シングルに収録された2曲は我々がこの混沌とした時代を生き抜いていく上で本当に必要なこと、「考え、悩みながらも、自ら未来を掴み取っていく」ことの大切さを歌っている。イギリスの戯曲家・シェイクスピアは戯曲『ハムレット』に、”To be, or not to be, that is the question(このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ)”と、書いた。そう、かつてシェイクスピアもそうしたように涙を流し、恐れに震えながらも、自らにとっての「YES」と「NO」は何かを探し続けること、それこそが今を生きるということそのものなのだ、と、DREAMS COME TRUEは知っている。時代を鋭利に切り取り、人々の人生に寄り添う「歌」を紡いでいくこと、それこそが自分たちの「Gear(武器)」どう考えたって、いま聴くべきはやっぱりドリカムなんです!
TEXT by 小田部仁