コイツ
ライヴや「半生」
が無いときは、いつもスタジオで仕事。これ、「ドリカムの男の人」の常識。それは、東京でもニューヨークでも変わらない法則。「音楽の神様」と約束をしたからには、何の不満もありません。これ、ウソ無しの本心。
でも、東京では、いつも何かが足りない、何かとっても大切なものが欠けている気がしていた。
認めるのがちょっと恥ずかしかったけれど、初めて、コクっちゃいます。
それは、「コイツ」です。
「コイツ」はニューヨークに住んでいるとだけ、教えよう。あえて誰のヨーキーかなんて言わないでおこう。名前だって言わない。「個犬情報の保護」も大切にしないとね。このブログが原因になって彼の身に何か起こったら大変だもん、ね。
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僕は、猫を飼っていたせいか犬がとても苦手だった。猫はほっておいても全然ヘッチャラなのに、犬ときたら24時間、「カマッテ、カマッテ!」と常に愛情を要求する。犬の事を良く知っている人は、「適当に相手すればいいのよ。」なんて言うけれど、僕にはそんなこと不可能だ。「愛情には、2割増しの愛情で答える」のがポリシーの僕は、「コイツ」に見つめられただけで「何かしてやらないと。」と思ってしまう。「コイツ」が赤ちゃんだった頃なんて「育子犬ノイローゼ」になりそうなくらいだった。
「コイツ」の飼い主は、「コイツ」が赤ちゃんの頃から、必ずスタジオに連れて来た。ニューヨークのあらゆる有名スタジオはもちろんのこと、カリブのスタジオまで連れて来た事も何度もある。
始めの頃、「コイツ」の「カマッテ、カマッテ!」にいちいち答えていた僕は、全然仕事が手につかなかった。レコーディングそっちのけで「コイツ」にリアクションしてしまっていた。
ところが、それ以降はどうかと言うと、「コイツ」は実に良く僕を助けてくれている。
「ドリカムの女の人」と険悪になっても(しょっちゅうだが、)「コイツ」が必ず二人の関係を修復してくれる。
僕がてんぱっちゃってどうしようもなくなった時も、「コイツ」が近づいて来て隣でごろんとなって寝息を立てるだけでたちまち
癒されてしまう。
そして何よりも、スタジオの雰囲気をいつも和ましてくれる。「コイツ」がスタジオにいるだけで、皆がいつも微笑んでいられる。
「コイツ」のいない、スタジオなんて。
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なんて言っていたら、「コイツ」のいないスターチャイルド・スタジオで大事件。雷でミキシングデスクが壊れてしまった。夜になって無事復旧。ほっと胸を撫で下ろす。
その隙を縫って、事務所の誰にも内緒で「NAOMI YOSHIMURA
」のインストアー・ライヴを、「完璧印のお忍び」スタイルで見に行く。
「やっぱりNAOMIのライヴは、最高です!!!」
っと、大満足にひたっていると、ドリカム・チーフマネージャーのA嬢に見事に見つかってしまう。恐るべし、A嬢。
「なーにやってんですかー、もー本当にー。困りますよー。終わったら、さっさと帰って下さい!お隠れになってるつもりでしょうが、バレバレですわよ!ほらっ、見つからないうちに!ほほほほほほ!」
A嬢に、竹箒(たけぼうき)で掃かれるようにして会場を後にする。
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最後に「コイツ」のお宝写真をUP!!!