自主制作決定!!!
ブレックファースト・ミーティングで、いつものカフェへ。
ニューヨークの気温もどんどこ落ちて、秋をパスする勢いだ。引っ越しの片付けなんか終了するはずもなく、「あっちゃー、セーターが見つからねー!」と、朝から絶叫。取って置きの必殺ワザ、「ジャージ3枚重ね着」で寒さをしのぐ。
そんなドリカムの「なか」とは正反対に、「よし」さん、なんだか調子よさそう。
この写真、僕のいつもの写真と何となく違う。画角が良いと言うか、カップと「よし」の顔の置き方がユニークというか、写真というよりは作品と言っても良いかもしれない。
★ ★ ★
物語は、2週間ほど遡る。
「冬のナニ」のレコーディングをしていた時、「よし」がすんごい事に気付いた。
「この曲のミュージックビデオ、作らないの?」
僕は青くなった。そうだ、曲を完成させるだけでもいっぱいいっぱいだった僕は、ビデオのことなんかこれっぽっちも考えていなかった。動揺を見せたら最後、「よし」の集中砲火に遭うのは火を見るよりも明らか。
その場しのぎで、こんな事を言ってしまった。
「も、もちろん考えてたよ。日本でのスケジュールも無いし、ニューヨークで撮ろうと思ってさぁ。もう、普通じゃつまんないから、二人で自主制作するってのはどうかなぁ。なんかホームビデオみたいで、逆にクールじゃない。」
ヴィジュアルには一家言もつ「よし」のこと、絶対反対すると思ってノンキに構えていたら、想定外の答えが返って来た。
「いいかも!」
僕は、慌てた。自分で適当な事を言っておいて、でも、慌てた。
「で、でしょ。でも、あ、あのー、分かってると思うけど、ロケハンも、撮影も、メークも、音出しも、照明も、充電も、テープ交換も、交通整理も、衣装も、アイロン掛けも、三脚運びも、ランチの用意も、電源コード引っ張るのも、えっと、えっと、全部僕たち二人でやるんだよ。」
「だって、私達、カメラ買ったじゃない。」
「えっ?」
「THE LOVE ROCKSのドキュメンタリー自分たちで撮るためにカメラ買ったじゃない。」
「カ、カメラ持ってるからって・・・。」
だから、「よし」は侮れない。
ミュージックビデオで困ったときはこの人。ドリカムでも数々の名作を残した監督。その名は、「ディレク・スー」(国籍不明)さっそく、電話してみる。
「もしもし、2週間後何してます?」
彼は何も聞かずにこう言った。
「なんとかしますよー。」
★ ★ ★
結論。「冬のナニ」(もう隠す必要ないんだ。)のミュージックビデオ、
「なか」「よし」「スー」で自主制作決定!!!
「なか」「よし」「スー」で自主制作決定!!!
「たいへんな事になっちまった DE 身から出た錆」
っということで、今日の写真は「ディレク・スー」の作品。これからマンハッタン中をロケハン。 やれ、やれ。