だらだらモード
「いやー、やっぱり露天風呂は、たまりませんなー。」
「まったくですなー。」
「私たち、おしりがくっついてますから、おしりあい、なんつって。」
「は。」
「はは。」
「はははははは。」
この直後の、彼らのシラケちゃった雰囲気を、見事にカメラに収めることに成功。
FNS歌謡祭から一夜明けて、極度の緊張とハイテンションから心と体を解放すべく、自主的に「だらだらモード」に入ってテレビを見ていたら、「カピバラ」が、お湯につかって、僕と同じ様に「だらだらモード」になっているニュースが流れて、ビックラこいて飛び起きた。
一人で必死にテレビを指差しながら、こう叫んだ。
やっとこさ、僕の膨大な写真ライブラリーから探し出した。
写真じゃちょっとサイズが分からないと思うけど、とにかく、でっかいのでっかくないの、どっちだって?でっかいのよ。
体長1mはあったんじゃないかなぁ。ゲッ歯目 カピバラ科で (響き自体が強烈!)、世界最大のネズミだそうな。
っつうことは、「トム&ジェリー」の、ジェリーの仲間っつうこと?
っつうことは、ディズニーランドの、ミッキーの仲間っつうこと?
また、心配事が増えた。
★ ★ ★
そんな訳で、一気にリハビリ終了。明日の某テレビ番組収録のために練習を開始。
本番で緊張して頭が真っ白になっても、練習をしっかり積んでおけばなんとか切り抜けられる。これ、基本中の基本。
しかし、この法則が通用するのは、職種がプレイヤーの場合。歌い手となると、そんなにシンプルではない。
長年蓄積されたホコリたっぷりの、乾ききったスタジオ(会場)で、長時間ノドのコンディションを維持するのは至難の業。特に冬場は最悪。
歌を歌うという行為は、そんな歌うことに最も適していない環境の中で、大きく呼吸をし続けなければならないということ。
吉田をはじめ、歌手の皆さんを見ていると、ほんとに大変そうで気の毒になる。しまいには、20年前に、僕に歌手になることを断念させてくれた吉田に感謝してしまうぐらいだ。
同じステージに立っていても、職種の違いで、プレッシャーには大きな違いがある。
本番日、一日中、ぶるぶる震える吉田を見るたび、「あー、僕にはこの職業(歌い手)は出来ないなぁ。」と、心底思ってしまうのだ。
プロだとはいえ、大変なことです。はい。しんみり。