ドリブログ お正月大サービス企画 スペシャル画像 第二弾!
第57回NHK紅白歌合戦、本番の衣装(by KEITA MARUYAMA with チーム・徹夜)も、 勢い DE 大公開。
これ、読んで字のごとく、「本番激直前」。
吉田さんの「緊張しちゃうかなメーター」は、撮影の前から振り切っている。立っているだけでもやっと。ドリブロガーのために、必死で微笑んでくれた。
もちろん「親指をグッ!」なんて思いも付かない。(実は、僕も。)
で、本番はご覧の通り。
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ドリブロガーには、ここだけの話にしてほしい。
終了後、吉田さん、半べそかきながらこう言った。
「まささん、ごめんなさい。また駄目な歌、うたっちゃったよー。モニター、全然、全く聞こえなかったよー。ごめんなさい、ごめんなさい。」
スタッフを責めている訳でも、弁解しようとしているのでも全くないので、あしからず。
長時間の生本番で、沢山のアーティストが出演する流れの中(しかもその流れは絶対止めることは出来ない。)、あれだけの人数のコーラスのみなさんと「生」バンドが(総勢約200人)、数分の間に転換しなければならない過酷な条件で、しかも本番は、皆さんの音のレベルも大きく変わるので(ほら、自然と力入っちゃうでしょ。)、エンジニアにとっても、完璧なモニターのセッティングをするのは、至難の業だ。(当然、出演者が54組いれば、54通りのモニター・セッティングがある。プラス、ショータイム。)
それが故、2日前からリハーサルがあるのだが、現実は、歌手本人のためのサウンドチェック(一番大切なはずなのに、)に使える時間は殆どない。(バンドが大人数ならなおさら。)
「でも、みんなプロなんだから、なんとかするのが当たり前でしょ。」 と言うかもしれないが、実際は、今回のようにテレビで生本番の場合は「なんとかならない。」こともある。マジで。
僕の考えるプロとは、その「なんとかならない。」最悪の状況でも、(出来る限りのクオリティーで)歌い切る事のできる歌手のことを意味する。
そして、そんな状況のせいで、どんなに音を外してしまっても、声が裏返ってしまっても、それに対する悪い評判も批判も、誰にも責任転嫁することなく、全て、自分が背負って生きる歌手のことを意味する。
それにしても、自分の声が聞こえないのに歌うことなんて出来るんだろうか? 聞こえないのは歌っている本人だけで、テレビでもラジオでもガンガン歌声が流れてる様なメチャクチャ恐ろしい状況で、歌なんて歌えるんだろうか?
僕だったら、無理。絶対、無理。即、その場から逃げ出すね。
「モニター聞こえなくて、歌えるかよー!」とか言って、マイク投げつけちゃうね。
以前、吉田さんに質問したことがある。
「モニター聞こえない時、どうやって歌ってたの?」
すると、彼女はこう答えた。
「こころの耳で聴くんだよ。」
僕は、誰が何と言おうと、吉田さんを尊敬してます。はい。
参考までに。
今回、オンエアーを見ていたら、多くの歌手の方達が、オケ(伴奏)に対してピッチ(音程)が、一定の割合で下がっていた。
これは、ステージ上で歌っている人にとって、会場のお客様用 PAシステムの音が、モニターより大きく聞こえる場合に起こる現象だ。
つまり、モニターではなく、外音(PAの音)を聞いて音程を取っていたということになる。
外に一旦放たれた音は、低くなってステージに帰ってくる。それを聞きながら歌えば、当然、音程も低く解釈してしまう。
外音とモニターの音量/音質には細心の注意が必要ということだ。
イヤーモニターも一般的になってきたが、その場合は、「外音」「モニター」「イヤモニ」のバランスの三つ巴となり、さらに難しくなる。
業界的には、「イヤモニが万能」と思われがちだが、僕は全くそうは思わない。歌手も含め、使用する人達が、それ相当のスキルがないと状況は悪化する。
より良い歌う環境を提供するために、業界全体 DE スキルアップ!