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「冬の嵐」


ぴかぴかっ!!!

(心臓のドキドキ音が聞こえる。)

ごろごろごろーーー!!!


稲妻が光ってから、音がするまでの間が一番怖い。知らないうちに息を止めて待ってる自分がいる。

 

「凄い雷 あーんど 凄い雨」=「冬の嵐」

 


 

 


スタジオにいて気づかなかったが、久々に外に出てみて、ビックラこいた。

 

「ビックラこいた。」

 


あれっ?なんか僕の毎日と似てる。

 

 

多少のバリエーションはあるとはいえ、ドリカムとして仕事をしている限り、限られた場所で限られた人たちと毎日を過ごしている。

これは、忙しいとか暇だとかは関係ない。そんな毎日で全く問題はないし、事は足りている。

ニューヨークでさえ同じ様な状況だ。

ましてや、強力な自意識過剰からくる「人見知り」と、究極のびびり性からくる「出不精」という、二つのヤバい性質を持ち合わせている僕は、実は毎日の生活において、極力、変化球を避けているような所がある。

うわっ!すんごい光った!!!

(ドキドキドキ。)

どわーーーーーーーーーんんんんん!!!ごろごろごろー!!!

今のは近かったぞー。


ところがひとたび、拠無い事情によって、普通の毎日から一歩外に出ると、さあ大変(さあ変態、ではない。あしからず。)、ビックラこきまくりである。

つまり、いろんなことに気づかずに毎日を送ってしまって良しとしている僕に、「気づく」のだ。

まさに、今夜の様に、スタジオ(僕の毎日の生活)の外は、嵐である。

うわっ!また光った!

(ドキドキドキ。)

あれっ、今度のはハズレ。ふぅー。


これではいけない。(と、思う。)もっと、外に出て、嵐に揉まれなければいけない。(と、思う。)もっと、変化球を受けられるようじゃなきゃいけない。(と、思う。)人生もっと色んな人に出会い、色んな経験をするべきだ。(と、思う。)

じゃあ手始めに「恋をする」なんてどうだろう。

人に出会い、外に出て、予想のつかない毎日が訪れ、ばんばん変化球を投げられて、嵐の中に放り込まれる。

 

「こんな僕には、うってつけ!」

 


あれっ?!雨が急に弱くなった。


そんじゃ、スタジオに戻ろーっと。