この本を読み始めるまで、1ヶ月かかった理由。
青山学院大学英米文学部時代のクラスメートで、「だれが一番大学に来ないかコンテスト」、或は、「だれが一番早く中退するかコンテスト」(もちろん両方とも本当にあったわけじゃない。そしてなんと親不孝な!)で最大のライバルだった一色さんから、昨年、本が送られて来た。
僕が最も尊敬する脚本家の一人であり、いわゆる大ヒット作家であり、ドリカムの自主制作映画「アマレット」の脚本を、大学生の時以来、23年以上連絡ひとつ取っていなかったにも関わらず引き受けてくれた恩人であり、僕のほうが一つ年上なのにいまだに敬語を使ってしまう、一色さん。
鳴きもせず飛びもしなかった僕の暗黒の20代、テレビや映画を通して、常に強い憧れと嫉妬の目で見続けた、一色さん。
そんな彼が、自分自身を主人公にして初めて書いたエッセイのタイトルを見た時、僕は、読んで字のごとく「狼狽えた」。
自分でも驚くほど動揺してしまった。
これが、理由。(「狼狽えた」り「動揺してしまった」“理由”は今は言えない。あしからず)
で、この本は、僕の書斎の机に置かれたままになっていた。
表紙のイルカ君と目が合って読み始めたのは、1ヶ月後になる。
それからというもの、何度も読み返している今、彼がこのエッセイを書いてくれたことに感謝している。
同じ時間軸なのに、まったく別な道を歩んだ彼を知ることによって、まったく別な人生なのに、彼と同じく分かち合えるものの大きさに、僕は喜びを感じる。
あらゆる年齢において、人生のターニングポイントを迎える季節がやって来た。
そんな人たちにとっても、このエッセイが語りかけてくれるものは、計り知れない。
是非、御一読を。
★お天気連絡★
日本列島、広い範囲にわたって雪が降るらしいです。どうか気をつけて。
受験生のあなたは特に。