『うううう、届いてしまった。うううう』
羽海野チカ先生の「3月のライオン」第二巻。
また吉田さんから新曲のメロディーを受け取ったので、すぐにアレンジの作業に入らなければならないのにぃ。
『ううううう、読み始めてしまった』
待ちに待っていた第二巻。「読むな」と言ったって、無理。
「ですよねぇ〜」
『ううううう、途中で止められない』
キーボードとパソコンの影に隠れるようにして、読み続ける。まるで、先生に見つからないように漫画を読んでる学生さんみたいだ。
『ううううう、やっぱり、いい』
そんな僕に、無情にも、ミーティングのコールがかかる。
ツアープロデューサーの向井さんが、吉田さんに叩かれる覚悟満点の「叩き台プラン」をプレゼン。
いつもなら、「叩き台」を叩きまくる吉田さん。なのに今日は、僕の意見を聞いてくれたりする。
なんか、様子が変だ。
「ねえ、もう、いい?」
ミーティング開始から20分後。突然、吉田さん、そう言って、誰のリアクションも待たずに、ものすんごい集中力で何かを読み始めた。
「あ〜〜〜〜〜〜!!!ず、ず、ずるい〜〜〜〜〜〜!!!」
吉田さんが読んでいたのは、同じく「3月のライオン」第二巻でしたとさ。ちゃんちゃん。
めでたし、めでたし。
んじゃ。
あっ、ミーティングはそれなりに実りのあるものでした。
「ほんまかいなぁ〜」BY 向井プロデューサー
ちなみに、今日は三つの重要なミーティングが、僕の「プリプロ」というスケジュールの中で行われた事実を、A嬢は知っている。