灯台一直線
せっかく、高松に来たんだ。ぜひドリブログのために、高松ならではのスペシャルな写真がほしい。その目的を達成するためなら、どんな苦労もいとわない。
生まれながらにして熱血漢の僕は、こう叫んだ。
「こんなチャンスはめったにない!
ナウ ゲッ ザ チャーンス!
すると、ご存知、あのA嬢が、冷ややかにこう答えた。
「ほほほほほ、ご冗談でしょー。
ここからじゃー遠過ぎますよー。タクシー呼んでもらってもいいですか?」
「なにを言ってんのかね、キミは!
根性で歩いて行くからこそ、全世界のドリブログファンが喜んでくれるのだ。
ドリカムのチーフマネージャーとして、恥ずかしくないのか!」
「それだけお分かりになっているのなら、マサトさん、お一人で行ってらっしゃいませー。」
「・・・・・・。」
★ ★ ★
ホテルの観光案内では、灯台まで「徒歩15分」という公式発表を大幅に塗り替え、いやがるA嬢を引きずりながら25分かかって到着。
「・・・ええ、・・・まあ。」
「有名な赤灯台の写真も撮れたし、
(この時点で、赤灯台が何故有名かは、分かっていない。ひたすら知ったかぶりをする僕。)今日も、ご機嫌に、ブログルぞー。」
「あのー、タクシー呼んでもいいですかー?」
「何度言ったら分かるんだ、キミは。
それに、こんな所まで、タクシー入って来れないから。」
その時、灯台のすぐ近くを一艘のフェリーが、まさに高松港に到着せんとばかりに通り過ぎようとしていた。
と、突然、
「きゃー、そこのフェリー!止まってー!
そう絶叫しながら、フェリーを追っかけて走り去って行くA嬢であった。
ちなみに、この「赤灯台」、灯台の内部からの光の照射によって灯台全体を赤く輝かすというデザインは、世界で初めてのものだという事を、帰りの道すがら、親切な方に教えてもらった。
「なんだ、そんなことなら、もっとちゃんと見ておけばよかった。」と、自分勝手に、後悔しきりである。
★ ★ ★
っというわけで、「半生試聴隊」、高松作戦も頑張りました。
参加してくれた皆さん、ほんと、ありがとー!
ところが、東京に帰って、スターチャイルドスタジオに向かう車の中で、大変な事に気がついた。
『 コ エ ガ 、デ ナ イ 。』
十年ぶりぐらいに、声を枯らしてしまった。
高松港で叫んだのが裏目に出た。
こりゃ、しまった。
「声も枯れ、愛も枯れて、肩 こりゃこりゃ。」
おそまつ。