「6!ウエスト・ヴィレッジは今日も快晴。駄洒落無し。」
ふと顔を上げると、飛行機雲。マンハッタンの真上だったので、きっと僕が乗って来た飛行機と同じような航路を通ったのだろう。この天気だったら、上空から見るマンハッタンはさぞかしキレイ・キレイだったろうなぁ。
エンジニアのエドさんが、暫く一人での作業が続くというので、「しめたっ!ラッキー!ロッキーはフォーッ!」ってな調子で近くの洋服屋(?)さんでショッピング。
日本に帰ったら地獄のスケジュール(by A嬢)だから、沢山取材もあるし外に出て人に会う機会も多くなる。いくらファッションに疎いといっても「着たきり雀」じゃ、職業柄、ちとマズイ(らしい)。
そこで、Tシャツをたんまり買い込む。でも、全部$20以下。CDより高いTシャツを買うのはどうも抵抗がある。Tシャツに対して恨みがあるのではないから、ファッション関係のみなさん、あしからず。TシャツとCDが同じ値段だったらどうしてもCDを手にしちゃうので、今回のラッキー・ショッピングの意図に合わないでしょ。ワードローブを増やすのが目的。
選んだ柄が、ラジカセやらヘッドホンやらミキサーやらでヒップホップ色が強かったもんだから、レジの男の子に「ユー!ダンサー?」なんて声を掛けられてしまった。「ノー!ミュージシャン。」と即答。逆に「ユー
!ダンサー?」と聞くと「ノー!シンガー。」という答え。さらに「ユー
!プロデューサー?」と聞かれたので「イエス!オールソー ベース プレイヤー。」と答えると彼はレジにならぶ長蛇の列のお客さんをほったらかして、僕に連絡先を教えてくれた。
そう。チャンスの神様はいっつも”マッハ”で走ってるんだもんねぇ。
スタジオに戻ると、アシスタントたちがレセプションに集まって、コンピューターで自分の曲を披露し合っている。僕が聞いてもハッとするような作品ばかりだ。
「グレイト サウンド!」と褒めると、ちょっと恥ずかしそうに、でもキラキラした目で嬉しそうな顔をした。
『みんな、頑張って夢を叶えるんだよ!』
なんだかお父さんのような気持ちになった一日だった。で、本当にお父さんになる日が来るの?という質問には、こう即答。
「ワタシ ニホンゴ ワキャリマシェ〜ン。」
そう。恋の神様はいっつも”光速”で走ってるんだもんねぇ。(ちなみに僕の力量では、光速を捉えることは200%不可能。)