「5!あれれれ、吉田さんがギターを弾くなんて珍しい!」
厳しい歌唱レッスンの後、僕からギターを取り上げて、おもむろに弾き出す吉田さん。それに合わせて大声で歌う「コイツ」(ただ吠えてるだけとも言われる)。
吉田さんは本当になんでも出来てしまう。見よう見まねでピアノだったりベースだったりギターだったり。(パーカッション、特にシンバルとティンパニーは本業と言ってもよいでしょう)
僕はこんな人を「要領が良い器用なひと」と表現している。
この種に属する人は、”見まね”の時の集中力と、その事象に対する分析力、解釈力、応用力、再現力がずば抜けている。その反面、練習してさらに上達しようなんて意思はあまりない(だって、すぐ出来ちゃうからしょうがない)。
そんな人に対して、僕のような人を「要領が悪い不器用なひと」と表現する。
僕の場合、中学2年の時、テニス部に入って(もちろん「エースをねらえ!」が切っ掛け)初めてテニスを習った時のことを思い出すとこんな特徴が見られる。
いたって真面目に取り組む。基本に忠実にがモットー。基礎トレーニングや素振りの時点では誰よりも優秀。よって先生や先輩にも一目置かれる。
ところが、実戦になっても基本を崩さない(崩せない)ためラケットは空を切るのみ。
「球をよく見て!」なんて怒られると、今度は球ばかり見てしまいまたラケットは空を切る。「中村!実戦で素振りと同じじゃ戦えないだろ!臨機応変に対処しろよ!」なんて言われたら最後。
『えっ?じゃあなんであんなに素振りをやったんだ?』自分の中でパニック状態。よって基本すら全然だめになってしまう。「中村は、素振りの段階では最高だったんだけどなぁ。」とガッカリされたことに、自分もガックリ。(ちなみに剣道のときもそうでした。)
『僕は体育系には向いてないんだ。よし文化系なら大丈夫だ。』と、ギターを始めたものの、習って行くうちに、な〜んかテニスの時と同じ現象に陥って来る。そして重大な事実に気づく。
「あっちゃ〜!テニスをするにも、ギターを弾くにも、運動神経がポイントということには変わりないじゃんか〜!」
ってなわけで「要領が悪い不器用なひと」に属する僕の問題点は、運動神経であることが証明された。(あくまでも中村正人の場合です。あしからず。)
結論。ドリカムの二人は、よくバランスがとれている。(だってねぇ、十勝で育まれた吉田さんの運動神経は、ただものではありません。)
そんなバランスがいいバンド、ドリカム。いよいよミックスの終盤にさしかかる。
はい。もちろん、スケジュールはちょーギュリギュリです。(綱渡りともいう。)