で、マスターは。
2004年の時点では、まだ、アナログテープを
使っていた。
いわゆる「ハーフインチ」と呼ばれるもの。
音は、とんでもなく音楽的でグレイト。
テープマシン自体がコンプやEQの役割もする
ので、アナログでマスターを作るということ
は、非常に意味のあることだった。
録音の段階では、僕のアレンジが多くのトラ
ックを必要とするので、必然的にプロトゥー
ルスに移行したけど、マスターは、まだデジ
タルのメディアの実績(つまり、何十年も保
管しておくという使用状況)がなかったので
、なかなかアナログテープから移行する勇気
がでなかったのだ。
だけど、アナログマスターの需要が極端に減
少することによって、それを扱えるエンジニ
アやメンテナンスマン、ひいては、状態の良
いアナログテープやテープマシンを調達する
のが難しくなるのは火を見るよりも明らかだ
った。
しかも、プロトゥールスの性能も驚くほど早
く進化したので、この後、マスターもデジタ
ルとなっていった。
後何年かすれば、これらの機材で現役で動い
ているものはほとんどこの世から消えてしま
うのかと思うと、寂しくって胸が痛くなる。
なんだか、ため息が多い、ここ数日です。
おやすみ。
明日は週に一度のデートだから、忘れないで
ね。