ドリカム品質
あくまでもドリカムの、場合。
ライヴの映像化のための音源製作は、実は、通常のレコーディングよりも、手間のかかる作業だ。
以前は、ライヴレコーディングにも、デジタルテープレコーダーが使われていた。
(バスガイドさんの言い回しでお願いします。)
あっ、こちらに〜、見えますのは〜、
「SONY 48トラック・テープレコーダー」 で〜、ゴザイマス。
当時はなんと、数千万円もする、高価な〜もので〜ゴザイマシタ。
一般的に、通常使っていたステレオ・テープレコーダーは、2トラック。
(もちろん、1トラックずつ、バラバラに録音したり再生したりは出来ない。)
ところが、この「ヨンパチ」(「SONY 48トラック デジ タル・テープレコーダー」の愛称。)は、読んで字のごとく、48ものトラックを、必要に応じて同時に録再生する事が出来る、当時は本当に、
ス グ レ モ ノ 。
ライヴ収録の場合は、この「ヨンパチ」が2台必要になる。途中途切れないように、一台目のテープが終わりそうになると、2台目も早めにスタートさせる。
(だって、テープの都合でライヴを中断させる事なんて、できない、できない。ましてや、一本目のテープが終わったらそれを巻き戻して、二本目のテープに架け替える間、お客さんに、「チョー ト マッテー!」いただくなんて、ブルブルブル〜、空恐ろしい。)
「はーい!しつもーん!なんでそんなにトラックが必要なんですかー?」
「イイ 質問だねー。」
例えば、ドラムを録音するのに必要なマイクの数は、バスドラの中と外に1本ずつ、スネアーの上と下に一本ずつ、ハイハットの上と下に一本ずつ、タムが五つあれば、それぞれに一本ずつ、シンバルを上から狙って2本、計13本、すなわち、ドラムだけで48のうちの13のトラックを使う事になる。お客さんの歓声を収録するだけでも8本のマイク、8トラック以上使用する事もある。
また、ミックスに入る前に、それぞれのトラックにちゃんと録音されているか、突発的なノイズは乗ってないか、耳で聴いてチェックしなければならない。いくつかのトラックはまとめてチェックするにしても、例えば、20のグループに絞ったとして、ライヴが3時間にわたった場合は、チェックだけでも60時間かかる計算になる。早送りしてチェックする事は、不可能であった。
ってなわけで、
「もー、たーへーん なんす からー。」
今回は、ほんの少しだけしか語れなかったが、ライヴ音源制作のちょっとした裏話を、
チ ラ リ ズ ム 。
で、ドリカムは、こんな「たーへーん!」な仕事と、「通常」レコーディングと、ツアーと、半生と、ドリブログを、なにげに、同時進行。
「イヤ〜〜〜〜〜〜ん。モ 〜 レ ツ っ !」
(再び、バスガイドさんの言い回しで、お願いします。)
あっ、お次〜、こちらに〜見えますのは、
現在、THE LOVE ROCKSツアーの収録にも使われ〜ました〜、
「ハードディスク・レコーディングシステム」で〜ゴザイマス。
システム単価は、ググッと、お安くなりましたが〜、
理論上〜、チャンネル無制限となったため〜、
手間は増えた、という、現実で〜、ゴザイマス。