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ドリブログ ARCHIVES

6弦の娘


「やあ!どうしてた?そう。ニューヨークに来てたんだよ。

仕事立て込んじゃって、なかなか連絡出来なくてゴメンネ。

あっ、こちらが、ニューヨークの彼女、SUKOP家の『リブ』。

ドリカムの最新アルバム『THE LOVE ROCKS』からの、お付き合いなんだ。限定盤のジャケットに、僕と一緒に写ってたから知ってるだろ。

最近では『冬のナニのナニ』にも登場してるよ。」


「そうなんだ。『リブ』も6弦なんだ。

僕は、6弦に弱いんだよなぁ。6弦の娘に逢うと、すぐ、惚れちゃう悪い癖があってさ。

なに?それで、さんざん失敗したんだろうって?

それが、違うんだよ。意外と、僕、慎重でさあ。特に、ネックの握り具合とか、ボディーの密着感にはデリケートだから。

ネックは今までの僕の趣味とは違ってワイドで平たいんだけど全然違和感がなくて、ちょっとビックリしてるんだ。

運指もスムーズだし、弦の間隔も僕の好みよりは開いているけど、メインのツウフィンガーの演奏に支障はない。逆にサムピッキング奏法だったら『リブ』は最高なんじゃないかなあ。

やっぱり、付き合ってみないと、分からないもんだねー。

もちろん、音が肝心だよ。ピックアップとアンプで音が出てるようなヤツはタイプじゃない。何にも繋がない状態で、しっかりと1弦から6弦まで鳴らなきゃダメ。

エレクトリック・ベースといえども、楽器は生音が良くなくちゃ。

それには、木の材質が大切だね。弦の振動をしっかりと受け止め、美しく増幅して、ピックアップに伝えられないと。スルーネックというのもポイントだよね。

ベースなだけに低音の鳴りと、個々の音程のクリアーさが両立しないといけないんだ。

それを実現するためには、ほとんどの場合、木材そのものの重量が必要になってくるんだけど、この娘の場合は、比較的軽くても重低音が豊かで、かなり70年代のフェンダーJAZZ BASSに近い音が出るんだ。きっと、木材の乾燥が丁寧だったんだろうね。初めて弾いた時は感動したよ。

僕は演奏する時、タッチが強いから、それに答えて鳴ってくれる娘じゃないと満足出来ないんだ。タッチが弱いと単体で聞いた時はきれいな音がするし、早弾きには向いてるかもしれないけど、レコーディングやライヴで沢山の音と一緒に鳴った時に、埋もれてしまうんだ。

日本にいる彼女達は、どうしてるかって?

『オードリー』と『キャサリン』は、家でお留守番。『キルステン』はTHE LOVE ROCKSツアーが終わるなり、DCTgarden IKEDAに出張。沢山の皆さんにお会いしてると思うよ。池田もメチャクチャ寒くなったって、この前メール来てたよ。

ドリカムのライヴ、アメリカでやる予定はないのって?

やりたいのはマウンテンマウンテンなんだけど、日本での活動もめっちゃ忙しくてさあ。今月、NEWシングルも出るし、来年、ワンダーランドだし。両立ほんと難しいよね。一方に集中してると、もう一方がすぐダメになっちゃうし。アメリカにも日本にもスッテキなアーティストや、すんごい新人バンバンいるし、そんな中で、絶対ドリカムの音楽もピックアップしてもらいたいし。

でも、諦めないから。そんときは見に来てよね!

僕の日米の彼女達の、大集合になるかもしれないし。

じゃ、また、電話するよ。スィーヤ!」